クリニックの内装工事に関する基礎知識

クリニックの内装工事に関する注意点を6つの観点から説明します。クリニックの内装工事に関しては、患者様の不安を取り除くためや清潔を保つための工夫に加え、多くの人が集まる施設に適用される法令沿って行う必要があります。

クリニックは医療機関ということもあり、デパートや商店のような顧客を集めるための派手な広告活動を行うことは憚られます。ただし、経営上の観点からは患者様の来院は大切なことですので、快適に過ごせるクリニックのデザインというところに力点が置かれることになるでしょう。中でも滞在時間の長いクリニック内の内装工事は、不安な心理状態にある患者様をなごませるためにも非常に重要です。

診療科目に似合った内装工事を行う

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クリニックの内装工事については、各クリニックの診療科目によってそれに似合うように行う必要があります。小児科と内科では、ある意味で対照的な内装工事が必要です。小児科は子どもが来院することが前提ですので、心理的な不安をなくすために明るく楽しい雰囲気にする必要があります。そのために壁にカラフルな絵を配置し、おもちゃを置いたスペースを作るなど、子どもたちが喜ぶような工夫が必要になるでしょう。

特に、待合室には、子どもたちが遊べるスペースを作るということは大切で、子供と一緒に親も安心して待つことができます。内科は大人たちが来院することが前提ですので、リラックスできる落ち着いた雰囲気の内装にする必要があるでしょう。壁の色も落ち着いたものとなるようにし、ゆったりとしたソファーを配置するなどして患者様がリラックスして診察を受けられるようにすることが大切です。また、待合室に雑誌や新聞を用意しテレビを設置すると、退屈せずに待つことができるようになるでしょう。

院内での患者様の設備の便利で快適な利用について考慮する

クリニック内の各設備を設置する際には、患者様がクリニック内で快適に不便なく利用できるということを検討する必要があります。そのために考えるべきこととして、患者様が診察を待つ間にゆっくりと快適に過ごすために、待合室はできるだけ広くゆっくりとできるようなスペースの確保が大切です。複数の患者様がいる時などもお互いの距離が保たれているということも考慮する必要があります。

患者様によっては頻繁にトイレの利用がある場合もありますので、トイレは待合室から分かりやすいところに配置するように設計することが必要です。トイレの内部も可能な限りスペースを広く取り、動きが不自由な場合であっても問題がないようにしなければなりません。場合によっては誘導のための手すりなどを設置することも大切になってきます。

診察室についても同様で、待合室からできるだけ短時間で移動できるような設計を行うことが大切です。待合室から診察室へ行く廊下についても、バリアフリーな設計とすることが重要です。

清潔で明るい雰囲気を醸し出すようにする

患者様は健康になるために来院するのですから、クリニックは清潔であることは最も重要なことです。そのため、クリニックの内装工事では、清掃や場合によっては除菌などの作業を簡単に行える内装素材を選択して設置することが大切と言えるでしょう。床や壁の素材の色調に関しては、シミなどの汚染が目立たないような色であり明るい雰囲気となるようなものを選ぶ必要があります。待合室には患者様が長時間滞在する場合もありますので、座っていて快適で明るい雰囲気になるような色調や模様の素材を使用することが必要です。

床や壁に関しては先ほど述べましたが、汚染などが発生した際でも清掃しやすいような素材でできたテーブルや椅子を準備することも大切。床については、頻繁にワックスがけを行うことになりますのでワックスがけが容易な素材を選ぶということも大切になってくるでしょう。また、除菌作業などを行う際には、素材を痛める可能性がありますので、除菌する薬剤などに耐性を持ったものを使用することを考えておく必要があります。

クリニック内設備の機能性について考える

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忘れてはならないことに、クリニック内の設備の機能性を十分に考慮することがあります。待合室に関しては先ほど述べたように、患者様が不安にならず快適に過ごせるという機能が大切です。診察室は、患者様の様子を詳細に診断できるように十分な明るさを確保しなければなりません。診察器具などについても、診察を行う際に無駄がないように設置する必要があります。医師が診察室内を行ったり来たりするということは、患者様も不安になりますし、思わぬ事故の原因となる可能性も否定できません。

また、可能であれば、診察室は自然光を十分にとり入れられることが大切です。蛍光灯やLEDなどの人工光では緊張する患者様もいらっしゃいますが、自然光が入ることによって患者様がリラックスして診察を受けることができるでしょう。手術室は無菌状態を保つ必要がありますので、細菌ややウイルスなどが侵入したり繁殖したりしないような設計にしなければなりません。場合によっては、負圧状態ができるような設備を設置することも考えられます。

内装工事のコスト削減について合流する

ここまで述べたようなことからわかるように、クリニックの内装工事は通常の住居と比べて要求される水準が高く多額の費用がかかります。多くの人にとって、ありあまる予算を確保できる機会はあまりありませんので、予算の有効活用のためにその配分にも十分な検討が必要です。大変重要な位置づけにあるクリニックの内装工事に関しても、予算の有効活用のために可能な限りコストを抑える工夫をすることが必要だと言えるでしょう。よく知られている例としては、すでにある内装を部分的にリフォームして活用する方法や、素人でも簡単に作業ができると思われる部分についてはDIYで内装工事をするということが挙げられます。

既存の内装の一部をリフォームすることにより、コストを抑えながら必要な内装に変更することができます。加えて、DIYで内装工事を行えばさらにコスト削減も可能になるでしょう。ただし、DIYで内装工事をする場合は専門知識と経験が必要で、部分によっては専門家でなければできないところもありますので注意してください。全て専門の業者に依頼して内装工事を新たに行えば、より良い結果になることは当然のことなのですが、予算との兼ね合いもありますので妥協点を見つけることが非常に大切です。

クリニック内装工事に関わる法令を遵守する

多くの人が集まる施設では、一般家庭に比べよりより厳しい法令がありそれを遵守する必要があります。クリニックの内装工事についてもこれらの法律や規制があり、それらを遵守することが必要です。重要なことに消防法や建築基準法が知られていますが、これらに反するようなに内装工事を行うことは許されず、従わなかった場合には処罰の対象となりますので注意してください。このようなことから、クリニックの内装工事を行う際は消防法や建築基準法などの法令に違反していないかを確認することが大切です。

このような法令の確認を行うためには、クリニックの所在地を管轄する行政機関に問い合わせることをおすすめします。患者様は健康になるためにクリニックに来院されるわけですから、クリニックが法令違反の施設でそれによって事故が発生し、患者様に被害が及ぶようなことはあってはなりません。そのことを十分に認識し、あらかじめ十分な対策をとることが大変重要ですので、忘れないようにしてください。

まとめ

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ここまでクリニックの内装工事注意すべき点に関し、6つの観点から説明を行ってきました。クリニックの内装工事については、患者様の不安を取り除くための工夫や清潔を保つための工夫に加え、多くの患者様が集まる施設に適用される法令を熟知することが大切であり、それらに沿った工事を行うことが必要です。これらの項目は、クリニックという施設の性質上行わなければならないという側面もありますが、十分な設備を整えることによって患者様が快適にクリニック内で過ごすことができ、数多くの患者様の来院に繋がりますので、配慮してください。